Second Lifeには夢がつまっている

現実と似て非なる異世界SecondLifeについてのあれこれ

【SL月一コラム】SecondLifeに歴史あり〜私と剣術界〜

苦し紛れの月一コラム!1月分!

常々SecondLifeでは人に歴史を感じる事があります。
なんでも出来ると言う自由度の高さが、アバターに現実さながらの個性を与えてくれて、その個性が絡むことで社会が生まれ、それが時間の流れで連続することで歴史が生まれる、SLで暮らす人々は、現実世界とはまた違ったこの仮想世界で、それぞれ苦あり楽ありの歴史を歩んでいたりします。
それを一つ一つ踏まえるには当然時間がないので、ここは常々エントリーを上げている私なりの剣術界の話を踏まえて感じていただけたらと思います。

 

◆剣術との出会い
私が初めて剣術ゲームのC:SIと出会ったのはもう約10年前となります。
最初はHarajuku simのとあるクラブにて遊んでいました。

そのクラブはそのクラブでとても面白く刺激的な魅力があったのですが、今回は剣術界中心という事で割愛させて頂きます。
とは言え、初めてその刀を見たのはそのクラブでの事でした。
私はまだSL初めて一月くらいの頃で、クラブ常連の友人が刀を持ってクラブにやってきたのが最初でした。
その日のうちに友人やクラブのオーナーさんもみんなで刀を見に、C:SI公式所縁の聖地samurai island sim(通称侍島。現在は消失しました。)へ遊びに行き、それから私が刀を買うまで時間はかからなかったです。
SLにもこんなゲームがやっぱりあるんだと言う衝撃を受けました。
初めて戦ったのはその刀を買った時、そのまま侍島で初心者らしき外人さんと戦いました。簡単な英語で試合を挑まれました。
もちろん戦い方はめちゃくちゃです。
でも凄くドキドキしたし、相手も楽しんでいたようだったのをよく覚えています。

 

◆切磋琢磨の日々
それからどういう経緯だったかはよく覚えていないのですが、確かウェブサイト経由で当時の新撰組グループを訪ねました。
以前にも書きましたが新撰組が剣術の指南サイトを作っていたのです。
新撰組と言っても京都幕末simが出来る前で、sim名失念してしまいましたが、どこかの道場で戦ったのを覚えています。
その時に当時強いと名の通っていたKou Hynesさんと出会い、何度も負けてはどうしたら倒せるかを自分なりに考えて戦うのが面白かったのを覚えています。
正直、当時は皆そこまで強くなく、剣術を教える人も手探り手探りで腕を磨くという段階で、私はどこにも所属しないままふらふらとあちらこちらの道場のお世話になり、同時期のライバルと切磋琢磨する日々でした。
そうして過ごしてるうちに、EDO JAPAN simで剣術大会があると言う報せが入りました。

 

◆第二回江戸剣術大会
最初の江戸剣術大会はEDO JAPAN simの身内イベントとして開催され、それから数ヶ月ほど間を空けての第二回で、日本人の間で剣術が広まってきたので公募するようになったと記憶しています。
今大会にKouさんが出ることになり、私も迷いつつも面白そうだったのでMallow McMillanでエントリーする事となりました。
この当時のイベントはまだ負荷軽減対策として客席と催しのsimを分けると言う手段がなく、剣術も例外ではありませんでした。
しかし同条件という中で皆戦い、私はこの時準決勝で初めてKouさんに勝てました。
その事がとても嬉しかったことと、決勝に向けて気を緩ませてはいけないと必死だったのを覚えてます。
決勝の相手はKouさんと同じく強いと名が通っていたDosa Beckさん。
誰もがKouさんとDosaさんの決勝を予想した中で番狂わせを起こし、場の空気が変わり、その上で大会のなんとも言えない異様な緊張感に包まれつつ挑みました。
そして、私はDosaさんに敗れました。
今でも一番思い入れのある最初の大会でした。

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◆大流派時代
第二回江戸剣術大会後、Dosaさんはその当時最大勢力となる土娑流を、Kouさんは粋心流を開き、日本の剣術グループ"流派"が流行り始めました。
剣術大会を開いた江戸は日本剣術界の聖地となり、剣術用にとEDO JAPAN KITAMACHI simが増築され、何時でもここへ行けば誰かが試合をしていると言う規模でした。
他には山形simよりC:SIメインではなかったけど強いプレイヤーが多数所属していた忍蔵流がありました。
多数の人員を抱えた流派は交流試合などが盛んに行われ、大会などでも流派を背負って戦うようになりました。
土娑流はそのうち海外のC:SI公認グループYakuzaクランと結びつくようになり、著名な日本人プレイヤーもそこから海外へ参戦するようになりました。
私はと言うと変わらずしばらくふらふらしていましたが、剣術を面白く楽しむこと・愛刀としていた白色のDragonと言う刀にちなんで白辰流と言う流派を開く事となります。
師範を名乗る中で一番不真面目ながら、何人かに刀を教えたりしていました。
そして、弟子の一人としてえいひさんと出逢いました。

 

◆SL中断
その後第三回江戸剣術大会に出場し、またもDosaさんと良い試合をして敗れたり。
土娑流の助っ人としてYakuzaクランから海外の試合にも出場し、早5時から刀をしたり。
メイドカフェで剣術に勧誘したメイドさんが強くなりすぎて全く勝てなくなったりと、色々と面白い細かなエピソードがありましたが、様々な新しい風を尻目に隠居する感じでひっそりと消えて行きました。
正直私が動かないでも剣術界が安泰だったと言うところで、今ほどのモチベーションはなかったと言うのはあります。
一プレイヤーとして純粋に剣術を楽しみました。
そしてその後RL環境の変化に伴い、SL自体の中断となります。
私が中断している6年の間にはobi Galliさんが立ち上げた桜蕾クランが最盛期を迎え、C:SI公認イベントとなどで活躍された形跡を見ました。

 

◆剣術復帰へ
SLへ復帰したのは昨年6月のことです。
実は3年ほど前に少しだけ戻りましたが、その時のPCスペックが追いつかず、インワールドの人狼を少しだけプレイして断念してました。
剣術だけでなく魅力を感じてる世界なので、中断している間もずっと気にかかっていたのがSL復帰理由で、正直なところ、C:SI公式サイトは数年前で更新が止まっており、こっそり昔の所縁の地を訪ねても人がいない状態で、剣術が続いているとは思っていませんでした。
昔の剣術友達もほぼ全滅し、剣術はもうないかなと思っていたのです。
そんな中で声をかけてくれたのがえいひさんでした。
師として全く何も出来てなかったにも関わらず、待ってたと言われました。
私の白辰流には、私との勝利数に応じて称号を用意しています。
彼女は一勝も出来ていない状態で止まっていました。
6年越しの挑戦状を叩きつけられて、えいひさんは初勝利の称号を手に入れ、しかし三連勝の称号は防げたので、私はまだ師でいられると喜びました。
(今は三連勝もされました。残すところ五連勝と前人未到の十連勝です。)

 

◆剣術界再興へ
剣術はかろうじて残っていましたが、同時に虫の息のような、先細る状態でした。
クランも流派も少人数故に体を為さず、毎週の剣術イベントでは決まったメンバーが5,6名集うくらいで、大きなイベントは4年前の幕末剣術大会が最後、公式サイトは2011年で更新停止、全体の試合数は週100回に満たないほど(公式サイトで自動で集計されています)、公式所縁の侍島も消滅、新しい武器は5年ほど出ておらず、寧ろ4つあったベンダーは1つが消滅。
剣術の楽しさは以前エントリで挙げた(C:SI剣術の魅力参照)通り知っているし、このまま消えてしまう事はとても寂しく思いました。

そんな中でasura Baguierさんと出会います。
asuraさんは、ちょうど私と入れ違う形でずっと海外のクランで剣術をされてきた方で、侍島消失後、C:SIの存在に侍島の存在は不可欠だったとして、所有されている3simにC:SI公認グループであるクランを呼び込み、自ら侍島を、C:SIを維持して行こうと努められた方でした。
侍島がC:SIに必要だったと聞いて腑に落ちた私は、asuraさんが3sim所有されていることを踏まえ、ならば日本のC:SI剣術界には剣術大会が不可欠だったとして、日本の剣術大会の復活をとasuraさんと結託しました。
私は昔、日本で剣術界が流行り、そして海外とも繋がりを持っていった過程を知っています。
私は日本語しかできないから、日本の剣術界を盛り上げますが、其れはC:SI剣術界全体の再興にも繋がっていくと信じて活動することが、今回の大きなモチベーションとなっています。

 

◆安土剣術大会へ向けて
開催まで一週間を切りました。
剣術大会のため、ひいては剣術界復興の為に剣術教室をしたり、その間2度ほどまた剣術界が揺らぐ出来事があったり、正直今もC:SI公式的には油断出来ない状態だったりしますが、そんな逆境の最中、偶然にも復帰されたDosaさんが中心メンバーに加わって助力してくださったり、他にも大きな出逢い、偶然が重なって、プレイヤー的には再び陽が差してきたように感じています。
この流れのカタルシスかのように安土剣術大会があるのも、偶然か必然か、大変面白く感じています。SLってやっぱり廻り合わせかのような、人の繋がりが大きいですね。
私は剣術大会の重みを、貴重な経験としての重みをよく知ってます。
今からすれば随分なクオリティながら、10年も前の大会がずーっと私の心に残っているように、今大会も、初めて参加される方にも、心に残って何かに繋がって行くと良いなと思っています。
そして今回は、何も知らずに初めて剣術を見ていただく方、応援に駆けつけて貰える方にも色々と楽しんで頂けたらと、あれやこれやと出来る範囲で手を尽くしてみています。
計らずも剣術大会ながら、テーマは「祭」となってきたように思います。
選手も観戦者も、よかったら楽しんでいってください。
安土剣術大会は来週土日、2月11日・12日、各22時よりの開催となります。

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Second Lifeに歴史あり
すっかり宣伝で〆てしまい、エントリーのテーマを忘れそうになってますが、拙いながら人と人が紡ぐ別世界としての歴史がここにあると感じてもらえたら幸いです。
(歴史というには文章量的に色々と端折ってますが)
あくまでこれは私と剣術界の話であって、こんな流れを各プレイヤーがそれぞれ紡いでいたりするのです。
だから色んな人の話を聞くのも面白いし、そうして今日、人と人の関わりで出来た別世界としてあるSecondLifeがとても興味深く、楽しくて愛しいです。

 

もしSLされてない方でSLに興味を持たれた方がいましたらいつでも、どこからでも連絡ください。
剣術以外でも、手引きさせて頂きたいと思います。
長いエントリとなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!