Second Lifeには夢がつまっている

現実と似て非なる異世界SecondLifeについてのあれこれ

【SL月一コラム】身体のパーツがバラ売りされるイマドキのSecondLife

今回から月一でSecondLifeに関して色々と感じたことなどコラムとしてまとめていけたらなと思います。
あくまで個人的な視点であることをご了承ください。


私は今年、6年ぶりにSecondLifeに復帰しました。
6年前と言うとちょうど3DのメッシュがSLに導入される頃の話です。
なのでメッシュがない時代から、メッシュ導入によってもたらされた世界の変化を目の当たりにし、似たようでどこか違う世界、まさにタイムスリップしたような感覚でした。


SLではメッシュは基本的な作成ツール(プリム)やアバターに使われていたもので、これをユーザーが自由に作れるようになった結果、ユーザーがアバターそのものを生み出すと言うことが出来たり、アバターのボーンに合わせて身体の一部のように伸縮するようになったので、見栄えの自然な服が作れるようになりました。
ボーンとはまま骨のことで、アバターに動き(アニメーション)を与えるためのものです。骨組みに肉付けするようにメッシュアイテムを貼り付けられる事が出来ます。
要は普通のゲームみたいなアバターをユーザーが作れるようになったよ!と言うことです。
最も砕けた言い方をするとアバターの見栄えがとても良くなったんです!
例えば初代PS時代の3DのゲームキャラとPS2の3Dのゲームキャラって同じもので出来ててもクオリティの差が歴然ですよね。ずっと初代PSのキャラベースでスキンを張り替えて使ってきたけど、PS2の時代になってPS2クオリティのゲームキャラを自作できるようになったから作ったみたいな話です。
実際に2003年のSecondLifeのリリースからユーザーがメッシュアイテムを作れるようになるまで、8年の差がありました。

※特に変化が顕著な手の画像。左はデフォルトアバター、右はメッシュアバターの一例
昔はデフォルトのものにスキンを貼るだけでしたが、今はメッシュの手も色々出ています。

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そんなメッシュが導入されてから6年と言う時間は、SL内の文化に大きな影響を及ぼしました。

何より衝撃的だったのが日常会話です。

「その頭どこで買ったの?」とか、「今度〜(SL内の店名)が出す手が欲しい。」とか、「唇と耳と目をいじったけど顔はデフォルトです。」とか、そんな会話が実にカジュアルに行われていました。
デフォルトとはSLで元々あったアバターのことで、これに対しユーザーがメッシュで作ったものはメッシュボディやメッシュヘッドなどと呼ばれています。
元々アバターにつけるスキンやシェイプをユーザーが自由に作れて、アイテムとして売られたりもしていると言った点で衝撃的だったSLですが、メッシュアイテムの導入はそれをさらに飛び越え、身体のパーツ売りと言う文化を生み出していました。
つまり、創作物のSFなどなら身体の一部やほぼ全部やら機械化すると言う設定でよく交わされたりするような会話が、今日のSLでは日常会話として成り立っているんです。
その異世界感、異文化感、近未来感に心の底から萌えました。
SLを運営しているリンデンラボがやったことはユーザーがメッシュアイテムを作れるようにしただけです。
身体のパーツ売りやそれが受け入れられ日常会話に影響するまでになった社会はユーザーによって成り立ったもので、SLとはずっとそういう世界なんですが、改めて衝撃的で、そしてとても魅力的であると感じさせられました。


そしてSLは現在、メッシュに続く変革を迎えています。

BENTOの導入。
これはアバターのボーンを劇的に増やすと言うものです。
これまでのボーンは13年前にSLが生まれた当時のもので、いくつかの手のポーズや表情が用意されてはいましたが、その用意されたものしかなく、特にアニメーションは擬似的なものを作ると言う手段しかありませんでした。
それがこれからは指一本一本自由に、表情もアニメーションで自由に動かせるようになります。

※次の動画はメジャーなメッシュヘッド店のBENTOを使った表情切り替え機能のプレビュー
もちろんユーザーによるもので、リンデンラボは作れる環境を用意しただけです
今後様々なこうしたアニメーションアイテムが発表されていくでしょう

www.youtube.com

また、ユーザーが作ったメッシュアバターを普通のゲームのキャラ作成のようにパラメーターをいじって細かく自分好みにカスタマイズすることがこれまで身体のみで頭の部分では出来なかったんですが、今回それも可能になり、メッシュで作られた顔で個性が出せるようになりました。

さらにこのボーンは人間的なものだけでなく、羽根や尻尾、後ろ足、人魚の尾などファンタジー用のボーンも多く取り入れられています。

この事がこの先、SLの世界にどう影響し取り入れられていくかはまだ未知数ですが、その未知がまたユーザーの手によって形を為していくと言う様がどうしようもなく魅力的な世界なのです。
これからも一ユーザーであると同時に、この異世界の変革や革新を観測して行きたいと思います。

I❤️SL